東京都酒造組合|地産地消、東京のお酒をもっと身近に感じてほしい

東京都酒造組合|地産地消、東京のお酒をもっと身近に感じてほしい

東京の地酒の魅力をもっと知りたいあなたへ!

酒屋角打ちフェスでは、東京都酒造組合の協力により、東京ならではの地酒を気軽に味わえる利き酒コーナーをご用意しています。今回は、これらの地酒を造る情熱あふれる蔵元の皆さんとの交流の様子を、レポートでお伝えします。

酒蔵と酒屋が近いという当たり前だけど、大事な視点

こんにちは、酒場案内人の塩見なゆです。酒屋角打ちフェスの公式ライターとしてイベントのお手伝いをしています。

いうまでもなく”酒場”と酒屋は密接な関係で、飲食店は酒屋さんにお酒を届けてもらっています。酒屋さんは配達するだけでなく、お酒の提案や、製造元の酒造会社の想いを届けるのも酒屋さんのお仕事です。

では、酒屋さんはどのように造り手の声を聞いているのか。問屋さんの試飲会へ参加したり、蔵元と直接コミュニケーションを取ったりと、酒屋さんは様々な方法でお酒の情報を集めていますが、東京では、酒屋さんたちの組合である東京小売酒販組合と、東京の酒蔵さんたちが入る東京都酒造組合の間で交流会が開かれています。

どちらも東京で酒類に携わる集まりですから、こうした密接な関係がつくれるわけですね。世界有数の大都市とはいえ、地産地消の提案をしてくれるのはお酒ファンとして、とてもも嬉しいです。

東京都酒造組合に加盟する蔵元

  • 小澤酒造株式会社/澤乃井(青梅市)
  • 石川酒造株式会社/多満自慢(福生市)
  • 田村酒造場/嘉泉(福生市)
  • 野﨑酒造株式会社/喜正(あきる野市)
  • 中村酒造/千代鶴(あきる野市)
  • 有限会社小澤酒造場/桑乃都(八王子市)
  • 豊島屋酒造株式会社/金婚(東村山市)
  • 合名会社野口酒造店/國府鶴(府中市)
  • 東京港醸造/江戸開城(港区)
  • 東京八王子酒造(八王子市)
  • 土屋酒造株式会社/鳳桜(休蔵中)

見に行ける蔵、会いに行ける蔵元という価値

八王子の地酒「桑乃都」の蔵元と話す、酒のフタバの関 明泰さん

現在、お酒の製造を続けている蔵元の数は10蔵。2011年に酒造りを復活させた都心のマイクロブリュワリーである東京港醸造や、故郷・八王子をお酒で活性化させたいという熱意で2023年から酒造りをはじめた東京八王子酒造など、新しい蔵を含めた数です。明治43年には23区内だけでも64蔵もあったという東京の酒造りですが、いまは数えるほどです。

あきる野市の野崎酒造がつくる喜正を確認するむらまつ酒商類の西郷さん

だからこそ、東京の酒屋さんと蔵元の皆さんの交流を深め、東京の地酒をもっと都内で広めていこうとこうした交流会が開かれています。

さかや栗原の栗原さんと意見交換をされている多満自慢の杜氏 前迫晃一さん。こうしたコミュニケーションが、飲食店さんや店頭でお酒を選ぶ私たちお酒好きにも届くんですね!

2024年、40年ぶりに府中での酒造りを復活させた野口酒造店の杜氏の木下大輔さん(右)。同じ府中にある明治34年創業の歴史ある酒販店、鴨下酒店の4代目 鴨下時也さんとの意見交換が行われていました。

おなじみの澤乃井蔵元の小澤酒造(東京都青梅市)さんは、香り華やかでコクのある純米大吟醸を提案されています。ゆっくり時間をかけて味わいたい良いお酒です。

福生で「嘉泉」をつくる田村酒造場からは、まぐろとのペアリングを考えた、『嘉泉 純米吟醸本まぐろ』が提案されました。本マグロに限らずマグロや各種魚介類の寿司や刺身全般とあう辛口で吟醸香のあるお酒とのこと。インパクトがあっておもしろいですね!

こちらは、東京八王子酒造がつくる「prototype1 ver.10 純米吟醸生原酒」。蔵もお酒もできたてホヤホヤ。文字通り試作を重ねてできた数量限定のお酒とりこと。穏やかなメロンのような香りと甘さを抑えた深い味が心地良いです。

JR五日市線の秋川駅近く、東京都あきる野市にある酒蔵、千代鶴酒造の千代鶴。文化元年から酒造りをしているという由緒ある蔵元です。淡麗辛口の特別純米はどんな料理にもあいそう!安定した美味しさで飲み飽きません。

嘉泉、多満自慢、澤乃井の3蔵が共同企画した、ソーダ割り専用日本酒も試飲しました。日本酒のソーダ割りは、近年、本格焼酎のソーダ割りも一般化する中、新たなトレンドとして注目されています。大手の酒類メーカーも力を入れる中、東京の3蔵が共同で開発したこの日本酒は、お酒5勺(90ml)に強炭酸水1合(180ml)が推奨の爽やかな味わいです。日本酒の風味を感じつつも、揚げ物などとの相性も抜群です。

酒屋角打ちフェスでは

今回ご紹介した酒蔵など、東京都酒造組合に加盟する酒蔵のお酒が楽しめます。20歳以上の来場者全員が楽しめる無料利き酒コーナーだけでなく、よりハイクラスな日本酒も味わえる有料利き酒コーナーも登場します。蔵元の方々も来場されますので、東京の地酒造りの情熱を直接感じていただけます。ぜひ、利き酒コーナーにお立ち寄りください。

※今回ご紹介したお酒が利き酒コーナーに並ぶとは限りません。

筆者 塩見なゆ (酒場案内人 / Syupo